最新の従業員意識調査結果から

ギャラップ社という米国の世論調査及びコンサルティングを行っている会社が毎年世界中で実施している従業員意識調査(2023年版)です。

日本版レポートによると、 

ー仕事に熱意のある社員 5%(エンゲージしている)

ー仕事に熱意のない社員 72%(エンゲージしていない)

ー全く熱意のない社員 23

 という結果でした。

 2012年~2018年まで、熱意ある社員は7%でしたが、2019年から5年連続5%と減少しています。
今の日本の状況をみると、何も手を打たなければ、熱意ある社員が更に減る可能性もありそうです。

 もし、100人の会社だったら

エンゲージしている熱意ある社員は5
会社にとっては非常に大切な社員です。
自分で考え行動し、経営者が考える方向に共に歩んでくれる社員です。

エンゲージしていない熱意のない72は、
与えられた仕事はするけれども、生産性は最低限で、職場にはいるが、当事者意識はなく、会社との心理的つながりはなく、出社したら、一日が終わるのを待つ毎日です。
しかし、その熱意のなさは表面化せず、気づきにくいこともあります。

 また、経営者側としては、彼らの生産性は本来持てる力からすれば低いとしても、現状を当たり前と捉え、こんなもんかな、と生産性の低さに気づかなかったり、会社に大きなダメージを与えるわけではないので、 特段困らない、と感じている方も多いようです。
この方たちは「静かなる退職」とも言われています。 

 想像してみてください

実際に、会社が実現させたいことを社員自身も実現したいと感じ、そのために自発的に考え行動できる社員は、エンゲージしている熱意ある社員の5人のみ。
そのような会社の状況を想像してみてください。

 100人中5人だけが熱意を持って仕事をしている状態は、かなり厳しい状況と言わざるを得ません。 

実はこれは架空の想像ではなく、実際に様々な企業様で耳にする話です。
誰かが悪いからこうなったわけではないのです。
外部環境、内部環境などいろいろなことが複雑に重なり、そのような状況が生み出されてしまっているのです。
 しかし、この状態では、経営陣も上司も部下も、熱意ある社員も、熱意のない社員も、お客様も、関係会社も、それぞれの努力は報われず、関わる人たちの幸せにつながることはありません。 

あなたの会社では、そのような状況で期待するような売上や利益アップ、生産性アップなどに繋がることはありますか?
少しでも上記に当てはまる状況だと感じるのであれば、ネガティブのスパイラルに陥っているので、悪化を食い止め、ポジティブスパイラルに切り替えてください。

 まずは、熱意ある社員を全体の20%まで増やすことを目指してください。
20%までは増やす手を緩めないでください。
10%を超えてくると、会社が変わってきたことを少々実感できると思います。
 熱意ある社員が20%を超えてきたら、お互いに影響を受け合い自然に増加し始めます。
そうなれば、会社は自然とうまく機能し始めます。

 あなたの会社の熱意ある社員が倍に増えたら、あなたの会社はどのように変化しますか?

 (文:菅生としこ)

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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