ハラスメントは、その特定の個人の問題だと思っている人も多いようですが、そうでないケースもしばしばです。

そして、社員のモチベーションが高く、生産性高い仕事をしてほしいと願うならば、ハラスメントらしきことは絶対に起こさせない組織にしなければなりません。
そうです、ハラスメントは解決すべき課題の1つなのです。

ハラスメントにはいろいろあります。
よく聞くのは、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントでしょうか。
他にもスメルハラスメント、カスタマーハラスメント、モラルハラスメントなど、いろいろ耳にしますよね。
昨今は、多くの組織や、多くの人が多少なりともハラスメントに関する知識を持っているので、ハラスメント件数は減っているかと思いきや、あまり変わっていないようです。

法律上、ハラスメント認定されるかどうかはさておき、今日はハラスメントが起きやすい組織についてお話したいと思います。
ハラスメントの当事者は、

・会社の上司と部下、

・介護施設内での利用者と介護者、

・飲食店の店員と客、

・新入社員と上司など、

様々な場面で「それ、ハラスメントです!」と声があがりますね。
でも多くの場合、ハラスメントは、強い立場と弱い立場の両者がいる場合に起こります。
そして、強い立場かどうかは、ステレオタイプでは決められません。

今もなお、職場のハラスメント加害者の第一位は「上司」という統計があります。

しかし、上司と部下であっても、部下に辞められたら困ると思っている上司は、立場が弱くなりますので、部下からのハラスメントに耐えている人もいるかもしれません。
最近は、部下から「ハラスメントだと言われることに怯えている」人も多いので、それをよいことに、部下からの「ハラスメントで訴えますよ」ハラスメントみたいなことにもなっていることもあるようです。
飲食店では、お金を払う客が強い立場になりがちですが、介護施設内では、お金を払う利用者は弱い立場になることも多いようです。

しかし、どんな場合であっても、心理学的には、自分は強い立場だと誇示したい人は、どこかで弱い立場になっているためにその抑制された感情が、どこかで強い立場でいたいと誇示する行動になり、ハラスメントを引き起こすこともあります。
特に職場内でのハラスメントは、このようなハラスメントの連鎖が起きていることもしばしば。
上司が、「自分は強い立場」だと部下に対してふるまえば、その部下は、更にその部下に対して同様に「自分は強い立場」であることを誇示し、ふるまうのです。
自分は、ハラスメントをしていると気づかず、知らず知らずにハラスメントの連鎖を引き起こしていることもあります。

ハラスメントのある職場で働きたい人など、1人もいません。

法律上、大丈夫かどうか、ではなく、ハラスメントとは皆無な職場で働きたいものですね。

あなたの職場は大丈夫ですか?

(文:菅生としこ)

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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