「どこかにいい人いませんかね?」
「仕事ができる人を外部から引っ張ってこようと思います」など、経営者さんが目標達成したくてもできない時、よくおっしゃる言葉です。
採用も大切ですが、今いる社員を大切しない限り、会社の更なる繁栄はないのです。
理由は言うまでもありませんが、今いる社員さんが会社に背を向けたら事業も会社も成り立たなくなるからです。
ですから、今いる社員を大切にしながら、社員一人一人が仕事ができるようになり、チーム・組織が成果をあげることが重要です。
そのために必要なことが、教育。
OJT・OffーJTです。
OJTとは、On the Job Training の略で実務を通じて知識、技術能力などの習得を図る教育方法です。
能力を開発するにはOJTが必須です。
これに対してOff-JTがあります。
Off-JTは、 Off the Job Training の略で通常の業務から離れ、特別に時間や場所を確保し、全員が一律に必要な知識などの習得を図る教育方法です。
教育を行う時には、必ずOJTかOffーJTのどちらかを行うことが効率的です。
OJTとOff-JTの大きな違いは、成長の階段のどこをサポートするか、にあります。
人が成長する時、下の図のような階段を昇っていきます。
OffーJTは、大勢に一律に教育を行うので非常に効率的です。
また、社内の文化をつくるという観点からも非常に有効な手段です。
しかし「実務」という点において、OffーJTだけでは足りず、最後はOJTが必須です。
両方行うことが非常に効率的なのです。
この階段は1人でスタスタ昇れる人もいれば、1人では昇れない人もいます。
得意な分野は勝手に昇れる人でも、苦手な分野では一人で昇るのが困難な場合も多いです。
業務を行う場合、きっちり階段を昇り切ってほしい、そして、できる限り早く階段を昇ってほしいと思うのが経営者・管理者です。
1人でスタスタ昇ってくれたら最高ですね。
しかし、私たちが思うほど、人の成長には時間もかかるのです。
なぜなら、人は元来、「変わりたくない」「変わらないように」という生体恒常性を持っているからです。
生体恒常性があるから、体温は一定を保っていられるのです。
ですから、成長してもらいたいと思うのであれば、OJT、OffーJTなどで、周りからの働きかけが必須です。
少し時間をかけなければなりません。
場合によっては、お金を投資することも必要かもしれません。
しかし、教育したことは、一生使える武器になります。
つくられた文化も会社が存続する限り、生き続けます。
あなたの会社では、OJTとOffーJT、しっかり活用できていますか?
(文:菅生としこ)
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菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!