課長に求める役割とは?

あなたは、課長に対し、「もっと課長らしく仕事をしてほしい」、「課長の役割を果たしてほしい」、「課長なんだからもう少しやるべきことをやってほしい」、と思ったことはありませんか?(課長に限らず、次長も部長も係長も同様です。)
こんな場合、「どうしたらよいか」というご相談がありました。

課長のやるべきことがやれていないというのは、多くの場合、マネジメントができていないということのようです。

当の課長に話を聞くと、「何をすべきか教えてもらったことがない」、「何をしたらよいか手探りだが、自分なりに頑張っている」、「我流だからこれで合ってるのかどうか自信がない」という答えが返ってきます。
「甘えるな」と言いたいお気持ちもわかりますが、そこは少し脇に置き、今日は課長の立場で話を展開したいと思います。

プレイング10割マネージャー2割という、10割越えで主軸がプレイヤーというプレイングマネージャーが増えて、かなりの年月が経っています。
特に若い方は、20代の頃に自分の課長だった方は、すでにプレイング10割課長だったわけです。
もしかしたら、その上の次長もプレイング10割だったかもしれません。
そうすると、そんなマネージャーの背中を見ながら、課長とはこういうものかと体験してきました。
上司である課長はかなり忙しかったため、自分も課長に育ててもらったとか、マネジメントを課長が行っている姿をみていた、という事を体験としてないのです。
見たことがないこと、知らないこと、イメージできないことは、実行不可能です。

課長を育成しよう

前述のような課長を“課長”として育てるには、知識を伝えるところから始めることが大切です。
課長の役割、課長の責任範囲などを、伝えてあげて下さい。
特に、人的マネジメント部分は難しさを感じている方が多いようです。
知識を伝えた上で、理解してもらい、やってもらい、できるようになってもらうという道を辿ってもらうしかありません。

育成は時間がかかりますし、手間もかかりますが、長期的にみれば、それ以上の効果があります。

課長が課・課員のマネジメントができないことで困るのは、上司だけではありません。
課長の部下が、被る影響も深刻です。
部下は自分の存在価値を感じられなかったり、帰属意識を感じられなかったり、やる気をそがれたり、孤軍奮闘、頼れる人がいない状態で、仕事をせざるをえない状況に陥ったりします。
そして、会社へのエンゲージメントが下がり、会社を離れることにつながっていきます。

課長がマネジメントできないことを嘆くなら、まずは課長へのフォローをしてみましょう。
実は、当の課長も困っているのです。

ご質問、ご感想をお気軽にお寄せください。
楽しみにお待ちしております。

文:菅生としこ

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

MAGAZINE
メールマガジン 好評配信中