職場や家族、友人など、人間関係がうまくいかないといった悩みは、多かれ少なかれ誰もが抱えているのではないでしょうか。
なかには、「会社に行きたくない」「転職したい」とまで考えるほど、
大きなストレスを受けてつらい思いをしている人もいるかもしれません。
ここでは、人間関係をこじらせている原因を探り、
うまくいかない関係を少しでも良くして、ストレスを軽減するコツを紹介していきます。
ストレス回避に役立つ3つのスキルも紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
目次
1. あなたはどのタイプ?人間関係をこじらせる3つの原因
人間関係がうまくいかない原因は、大きく以下の3つに分けることができます。
- 相手の問題
- 自分の問題
- 伝え方・コミュニケーションの問題
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
(1)相手の問題
相手の問題によって、人間関係がうまくいかないケースについてです。
たとえば、気分の浮き沈みが激しく人を振り回す、
あるいは自分が常に正しいと信じて人の意見を聞かないような相手とは、良い関係を築きにくいものです。
人によって態度を変えたり、損得勘定で人間関係を考える人も、周囲からの信頼は得られません。
このように相手の人間性に問題があるときには、こちらがいくら誠実に振る舞い、うまくやろうと思っても空回りしてしまいます。
また、決してイヤな人ではないけれど、他人からの干渉を嫌う人もいます。
そういった人とは、いくらこちらが打ち解けようと努力しても難しいものです。
このように、人間関係がうまくいかない原因が相手側にあるときには、望むようないい関係を構築するのは難しくなります。
(2)自分の問題
人間関係がこじれる原因が、自分の側に問題があるケースもあります。
人は自分の価値観に基づいて行動するので、自分の考えと合わない人をなかなか受け入れられません。
知らず知らずのうちに、相手を否定し、拒んでいることはないでしょうか。
また、相手との関係をこじらせたくないと思うあまり、自分の気持ちを飲み込んでしまい、
言いたいことを言えないときにもかえって関係悪化を招いてしまうことがあります。
イヤなことをイヤと言えずにいた場合、「イヤなのに分かってくれない」「気持ちをくんでくれない」と、
心の中で不満が蓄積してしまうのです。
自分の思い込みや、自分勝手な相手への不平不満が関係悪化の原因になっていないか、客観的に見つめてみることも大切です。
(3)伝え方・コミュニケーションの問題
伝え方やコミュニケーションの取り方に問題があって、誤解が生じてしまい関係がうまくいかないこともあります。
とくに日本人は察することをよしとする文化があるため、自分の考えを相手に伝えることが苦手です。
相手の力になろうと提案したつもりが、意図せず「否定した」と誤解されて怒らせてしまったという経験はありませんか?
ほかにも、黙っていても分かるだろうと思って言わなかったことが伝わっていなかった、
あるいは察して動いたつもりが的外れであったため、かえって問題になることも少なくはないでしょう。
当たり前のことですが、相手は自分ではないので黙っていては伝わりません。
そして声に出して伝えるときは、相手に「正しく伝わる」ように話すことが必要です。
人間関係がうまくいっていないときには、伝え方に問題がないかを見直してみるといいでしょう。
2. 「変えられない」人間関係のストレスを軽減するコツ
実際に人間関係のゴタゴタからストレスが生じているときには、どのように対処すればいいのでしょうか。
ここからは人間関係のストレスを少しでも軽減するコツを紹介していきます。
(1)合わない人とは距離を置く
どうしても自分と合わず、良い関係を築けそうにない人とは、あえて近づこうとせずに、割り切って距離を置いてみましょう。
自分の価値観に合わない、人間的に好きになれない人を、無理に好きになる必要はありません。
日本では小さい頃から「みんなと仲良くしましょう」と言われて育っているので、
人とうまくいかないことは良くないことと捉えてしまいがちです。
しかし、全員と仲良くすることは現実的に不可能ですし、そもそもその必要はないのです。
「嫌いな人がいるのは悪」という思い込みがあるのなら、それを捨ててしまいましょう。
「合わない人はいて当然」です。
無理して好きになろうとして、つらい思いをしなくてもいいのです。
仕事で毎日顔を合わせるなど、避けられない相手であれば、
「最低限仕事上の付き合いができればOK」とラインを引き、「仲良くなろう」と考えるのをやめてみましょう。
それと同時に「相手から良く思ってもらう」ことを期待して、顔色を読んで振る舞うこともやめるのが、
ストレスを減らすコツのひとつです。
(2)「変えられないこと」にはこだわらない
相手に気に入らないところがあっても、相手の振る舞いや人間性は簡単に変えられるものではありません。
相手を変えようと努力し、変わることを期待していると、疲労やストレスもどんどん大きくなっていってしまいます。
相手を変えることは難しいと理解して、自分が変わることを考えましょう。
それは相手に自分を合わせるということではなく、相手の言動に一喜一憂して振り回されないよう、
自分をコントロールすることです。
「相手を変えることをあきらめる」のではなく、「相手は変わらないと認める」のがコツです。
相手を変えられないことは当然のこととして受け入れ、自分が相手に振り回されないことに注力すると、ストレスを軽減できます。
(3)「大切な物」は人それぞれであることに気づく
合わない、嫌いと感じる要因はいろいろありますが、そのひとつとして考え方や価値観の違いもあります。
人はみんな生きてきた背景が違い、それによって異なる考え方が身についているものです。
そのため意見は違って当たり前で、自分にとって譲れないものがあるように、相手にとっても大切なものがあることを認めましょう。
そして自分の価値観を守るためには、同時に相手の考え方も認めて尊重することが、人間関係を良くするコツのひとつです。
3. 人間関係のストレス回避に役立つスキルとは?
人間関係をできるだけ円滑にして、ストレスを回避するためにあると役立つスキルを3つ紹介します。
(1)コミュニケーション力
人間関係を良好にするためには、コミュニケーション力は欠かせません。
コミュニケーション力と聞くと、「話し上手で明るくて、誰とでも仲良くできる性格の人」を思い浮かべる方が多く、
「私はもともと話すのが得意ではないからコミュニケーションは苦手」と決めつけてしまっている人もいるのではないでしょうか。
コミュニケーション力は基本的に「伝える能力」と「受け取る能力」の2つの力を指しますが、
実はこれらは後天的に鍛えることが可能です。
「コミュニケーションが苦手」と思っている人は、「正しいコミュニケーションの取り方」を学んだことがないだけかもしれません。
コミュニケーション力を身につければ、相手の話したいことを正しく受け止められると同時に、
自分が伝えたいことを相手に正しく届けられるようになります。
誤解で人間関係を悪化させることが減り、ストレスの軽減にもつながります。
(2)セルフコーチング
そもそもコーチングとは、対話を通してその人のなかにある気持ちや潜在的な能力に気づかせることで、
人生の質を高め、最高の結果を得るために支援を行うことです。
コーチングは基本的に、プロのコーチと一対一で、問いかけと回答を繰り返すなかで気づきを得るものですが、
セルフコーチングでは自らがコーチとなり、通常のコーチングと同様の効果を引き出します。
セルフコーチングでは、話を聞く側と伝える側の両方の役割を同時に行うため、結果的に自己理解が進むだけではなく、
相手を思いやり、理解する能力も育つことが特徴です。
自分を深層から見つめ、相手と自分の関係も客観的に見られるようになることが、セルフコーチングのメリットです。
(3)レジリエンス
レジリエンスは、ストレスを柔軟に受け止めて対応する能力を指します。
困難に直面したときも、強固に弾き返すのではなく、ゴムボールのようにしなやかに受け入れて柔らかく元に戻る力です。
レジリエンスは、生まれながらに誰もが持っている力なのですが、レジリエンスの高さに関しては、高い人と低い人とがいます。
しかし、レジリエンスはコミュニケーション力と同様に、育てていくことが可能です。
レジリエンスが高まると、柔軟な思考で物事に対応し、ポジティブに物事を考え、感情をコントロールできるようになります。
人間関係にトラブルが生じたときも、レジリエンスが高ければ、柔らかく受け止めて柔軟に対応できるでしょう。
そして関係がうまくいかなくても、楽観的にポジティブに受け入れて、前に進んで行けるのです。
まとめ
うまくいかない人間関係を少しでも良くして、ストレスを軽減するコツをご紹介しました。
人間関係がこじれるのは、相手や自分に原因があることもありますが、
伝え方やコミュニケーションを少し工夫するだけで改善するケースも少なくありません。
合わない人を無理に好きになる必要はありませんが、人間関係を良くするスキルを身につければ、
人とうまくいかないことが減り、ストレスを軽減できるようになります。
コミュニケーション力やセルフコーチング、レジリエンスのスキルを身につけて、
人間関係の悩みから解放されてみてはいかがでしょうか。