菅生の一言

Todasy’s センテンス『パフォーマンスを高めるには日々のメンタルを絶好調に!』

今日は、メンタルトレーニング研究・指導のパイオニアであり、数多くのトップアスリートのメンタルを支えてきた西田文郎氏の著書から一節をご紹介します。

“メンタル”とは日本語で「心」「精神」「意思」などの意味だと辞書には書いてあります。
スポーツの世界に限らず、ビジネスにおいても、メンタルが弱いとか、鬼のメンタルとか、メンタルが落ち込んでいるなどとよく言いますよね。
なんとなく、メンタルがパフォーマンスに影響を及ぼすこともご理解いただいているのではないでしょうか。
最近ではメンタルヘルス、メンタル不調など心身の健康が損なわれている場合にも使われますね。
メンタル不調は、本人の健康問題という認識はあると思いますが、プチメンタル不調が日々のパフォーマンスにどれほど影響があるのか、認識していない方も多いような気がしてます。
また、メンタルは、スポーツの試合、ゴルフの1パッド、プレゼンの機会など、自分にとっての“ここ一番”の時にメンタルが影響すると思っている方も多いと思います。
そしてそのメンタルによって得られた結果は、その後に長く大きな影響を及ぼすことは周知の通りです。

例えば、あの時うまくいったプレゼンを思い出してやってみたら、次もうまくいった。

例えば、ゴルフの12ホール目、目の前に広がる池を見ながらの一打目、“池に入るかもしれない、入ったらいやだな”と思っていたら池にボールが吸い込まれてしまった。
やっぱり。。。と落ち込んでいたら、その後の流れが悪くなって散々なスコアだった。

例えば、お客様からお叱りを受け、謝罪に行ったところ、逆にお客様に非常に気に入られ、自分はお客様と信頼関係を築くのが得意だとわかり、その後の大きな自信につながった。

などなど、メンタルがその場やその後に大きな影響を与えます。

しかし、ビジネスにおいては“ここ一番”な場面(大きな出来事)ばかりではありません。
日々のルーティンも数多く、こなすのに精いっぱいな仕事も多いのではないでしょうか。朝から晩まで会議の連続という日もあるでしょう。
またメンタルというのは、心のことなので、どんな場合にも必ずついてきています。
何かがあるたびに私たちの心はいろんなことを感じるのです。
しかし、仕事は忙しく、小さいけど大切な仕事が続くのが日常です。
そうすると、自分のメンタルの変化が非常に認識しにくくなります。
何か大きな出来事があったわけではなく、小さな出来事が積み重なった時にようやくメンタル不調を感じられるようになるために、メンタルが落ち込んだ原因が特定できず非常にやっかいです。

最近パフォーマンスが落ちていると思っても、何がうまくいっていないのか、わからないことが常です。
物事がうまくいった時には、やり方がよかったのだろうと思いますよね。
うまくいかなかったときには、やり方が悪かったのだろうかとも思いますね。
しかし、逆にメンタルがよかったから、うまくいったということもありえるし、メンタルが悪かったから、うまくいかなかったということも起こっているのです。

思った以上に、メンタルはパフォーマンスに影響を及ぼしているのです。

そのメンタルというのは、職場の心理的安全性や、上司や同僚との関係性によって左右されます。

細かいことを言えば、
上司に相談しにくい、
上司のものの言い方が厳しく感じる、
上司に挨拶したのに挨拶してもらえない、
仕事を任せてもらえないということは認めてもらえていないのだろう、
などと、様々なちょっとした場面で少しずつメンタルに影響を与えているのです。
その影響がパフォーマンスを下げています。

小さなマイナスの気持ちが積み重なってくると、
メンタルの変化をようやく私たちが認識できるようになり、
あいつはやる気がない、あいつは自信がない、などと表面的にあなたが部下に何かを感じるようになるのです。
逆に日々のメンタルが絶好調であれば、パフォーマンスも絶好調になるのです!
メンタルもパフォーマンスも絶好調となったら最高ですよね!

部下のメンタルをあげたければ、とにかく承認です。
そんなに承認がいるんですか?とたまにご質問いただきますが、人によります。
多くの承認が必要な人もいれば、それほど必要ではない人もいます。
しかし承認はどれだけで行ってもマイナスにはなりません。承認したらもったいない、なんてこともありません。
それだけで、部下のメンタルは確実にあがります。

今日ご紹介する本は、メンタルがパフォーマンスにプラスに影響するような組織づくり、職場づくり、関係性づくりが非常に重要だと改めて思い起こさせてくれます。
スポーツにおけるメンタルの書籍ですが、ビジネスでも共通することが学べます。また、メンタルトレーニングの方法について詳しく書かれています。

ご興味があればぜひお手に取ってみてください。

“発揮能力の高さは、対戦相手やまわりの環境、体のコンディションでは決まらないということです。それは選手の心の状態で決まります。そのことを無視し、いろいろな条件のせいにしている限り、いつまでも発揮能力は高まりません。”

“超一流のアスリートに共通する「最強思考」の特徴をあげておきましょう。
(中略)
・最強思考の脳には、明確なモチベーションがある
・最強思考の脳には、悪いストレスがない
・最強思考の脳には、まったく不満がない
・最強思考の脳には、いつもワクワクしている
・最強思考の脳には、すべてに自責で、誰か(何か)のせいにしない”

出典:『本番で最高の力を発揮する最強の自分をつくる』現代書林
著者:西田文郎著

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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