菅生の一言
Todasy’s センテンス『ボトルネックをみつける』
私はトヨタ自動車在職時代から、かれこれ30年近く、問題解決を専門としてきました。
事業の問題(利益、クレーム、納期などなど)、組織の問題、人に関わる問題などの解決のサポートや、問題解決できる人材の育成などを行っています。
支援における関わり方は、コンサルタント、コーチ、研修講師、ファシリテーターなど様々な形です。
その経験において、最も大切な考えの1つ。
それは、
“成長する企業には、問題が絶対に必要”
だということです。
断言します。
問題がなければ、成長はありません。
問題がないということは、理想と現実が一致している、ということだからです。
ですから常に、関わる企業様における問題は何か、を考えています。
しかし、問題の捉え方は千差万別で、枝葉末節を問題と捉え、懸命にその解決に取り組んでいらっしゃるケースが少なくありません。
本当に解決すべき問題を特定しなければ、思うような成長どころか、限られた企業内の資源のもったいない使い方になるだけです。
まずは、本当に解決すべき問題を明確にする、特定することが非常に重要です。
1に問題の明確化、
2に問題の明確化、
3,4がなくて
5に問題の明確化、
次にようやく問題の解決に向けたアクションといっても過言ではありません。
では、その問題の明確化はどのようにしたらよいのか。
問題を明確にするときにはいろいろな考え方や手段があります。
1つは、弊社でも提供していますが、「組織診断」です。
社内のほとんど本質的な問題は、いきつくところは組織と人にあります。
本質的な問題を把握する手掛かりの1つとなります。
他にもいろいろありますが、今日はこの世界的ベストセラー「ザ・ゴール」から考え方をピックアップしてお伝えします。
ボトルネック、という考え方です。
この本の中では、製造業の生産工程を例に書かれていますが、考え方なので様々な場面に応用できます。
ボトルネックとは、簡単に言うと、望ましい結果までのフローの中で、コントールすべき部分のことです。
世の中はすべてシステムで動いているからです。
そのシステムがうまく回っていないのであれば、ボトルネックを見つけることで問題を明確にしやすくなります。
問題を明確にするためには、この考え方だけでは難しい場合も多々ありますが、1つの考え方としてとても重要ですので、ぜひ覚えておいてくださいね。
今回ご紹介した本は、552ページの分厚い版もありますが、コミック版もあります。
552ページに少しハードルが高いと思った方は、コミック版でまずは概略だけでも掴んでみてください。
“製造に依存的事象があるのは明らかではないか。ある作業を行う前に別の作業を行わなければならない”
“無駄をなくそうと、一つひとつの工程の能力を別々に観察して削ってはいけません。システム全体を最適化するように努力しないといけないんです。”
出典:『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』ダイヤモンド社
著者:エリヤフ・ゴールドラット著
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!