「グローバルで活躍できる人材とは」

先日、明治大学で開催されたシンポジウム。
「グローバルで活躍できる人材とは」をテーマに企業が求める人材像について議論が交わされたようだ。(日経新聞2017.11.10)

パネルディスカッションでの三菱ケミカルホールディングス(HD)越智仁社長、日本HP岡隆史社長、三井造船田中孝雄社長、LIXILグループの瀬戸欣哉社長のお言葉、非常に興味深く、非常に共感した。

“ビジネスパーソンはトータルで10万時間以上働くことになる。学生時代から好きなものを探し出すのがいいのでは” 日本HP岡社長

“AIは全方位型ではありません。人の感性に訴えるものや、価値を付けられない仕事は残ります” 日本HP岡社長

“(学生時代は)見聞を広げる意味で遊ぶことは良い。加えて自分なりに会社で何をしたいか深く考えるといい” 三井造船田中社長

“自分の考えを持って意見ができるようになること。それには知識を蓄えることが大事” 日本HP岡社長

“1つ上の視点を持つことが大切。1つ上の視点とは、時間軸のこと。毎日仕事をしていると、その日の仕事の処理が終わってしまうことが多い。成功している人は、1日の中のある時間に5年先、10年先に自分や会社がどうすべきかを考えて過ごしている” LIXILグループ瀬戸社長

就職するまでにすべきこと

企業は決して学生と全く乖離したところに存在するではない。

学生と社会人の間に大きな深い溝をつくっている人が非常に多い。学生と社会人は違うんだという社会のイメージもあるのかもしれない。

しかし、溝を埋める努力が非常に重要だと私は考える。溝が大きいまま就職した人は、企業への期待が外れたと退職、自分の能力不足を痛感しどんどん落ち込む、社会の厳しさを理解しておらず心が折れる、会社への失望感であきらめの境地となり、苦労している社員たちをたくさん見てきたからだ。

今は、学生と企業の間の溝を自ら埋めようと努力し続けた人だけが、社会人として好スタートを切ることができ、認められ、早くから社会人としての喜びを感じることができる。もちろん、そのような人が即戦力として求められている。

あなたは、社会で認められ、社会の役に立つ存在として喜びにあふれた人生を送りたいか、それとも、仕事は仕事と時間の切り売りをして生活費を稼ぐため手段としての人生の半分を使いたいか。後者を選ぶのであれば、いつリストラされるかわからないと覚悟をしよう。

社会の役に立つ喜びを得られる人生を送りたいという学生諸君へ。

学生時代から何に時間をかけて、何を得たのか。時間をかけたいものが見つからなければそれを探すために様々な経験をするのがよい。

自分の経験を通して、自分の価値観や判断基準を養うことができる。これは様々な決断に必要不可欠だ。そして、経験は君たちに自信を与える。自信は人が動くときに必須だ。

価値観・判断基準、自信は自分も人も動かせるのだ。仕事においても人生においても。

そして私はそのような学生諸君の力になれたらとても嬉しい。

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