心で話を聴けていますか?
※本ブログは、文末YouTube動画「心で話を聴くコミュニケーション」のポイントを抜粋した記事となります。
皆さんは、部下の話を聴けていますか?聴いているつもりになっていませんか?
先日ある企業様の社員さんから
「社長があまり話を聞いてくれないんですよ。本当は言いたいこともあるんですが、聞いてくれないから話づらくて」
とご相談を受けました。
しかし、この企業の社長様に話を伺うと、
「部下の話は聞いているよ。でも大抵うまくいかないと分かるので、後で自分の意見を伝えていますよ。部下のやり方では、うまくいかないから言わざるを得ませんよね。」
とお返事を頂きました。
これでは、社長は部下の話を「心で聴く」コミュニケーションが取れておらず、
「耳で聞く」状態になっています。
「きく」の3つの状態
では、どのように「きく」事ができれば、「心で聴く」コミュニケーションになるのでしょうか?
「きく」には、3つの状態があります。
3つのきく | 状態 |
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1.耳で聞く | ・音声で耳に入ってくる状態 ・頭の中でまったく他の事を考えている |
2.口で訊く | ・話の「事柄」に焦点を当てている ・自分が次に何を言おうか考えている |
3.心で聴く | ・相手の「状態」に焦点を当てている ・相手が本当に必要としているのは何か |
先ほどの社長と社員のコミュニケーションを例に、「1.耳で聞く」について解説します。
「耳で聞く」コミュニケーション | 話を聞いた後、「部下のやり方ではうまくいかない」ので自分の意見を伝えている |
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上司の状態 | 聞いている間、頭の中では「自分の事」を考えている。 ・そうじゃない、どうしてそんな事を思ってんだろう ・こういうやり方した方が絶対うまくいく 真剣に部下の話を聞いておらず、部下のことを「分かったつもり」になっている。 |
部下の状態 | 話を「きちんと聞いてもらえた、分かってもらえた」とは、思わない。 いつも「否定されている」と捉える。 |
まとめ
「心で聴く」コミュニケーションは、相手が「話を聴いてもらっている」と感じて、はじめて成立します。
話を聴くとは、「心で聴く」ことが重要。
「心で聴く」とは、
- どんな気持ちで、話をしているのか
- どんな背景とプロセスを経て結論に至ったのか(情報)
- 何を伝えたいと思っているのか
を、相手や話に興味を持って「分かろう」と思って聴く事。
皆さんは、色々な方とお話をしている時に、「なんとなく話を聴いてもらえてないな」そんな風に感じたことはありませんか?
また、ご自身も相手の話を「耳で聞いてしまったな」と思うこと、ありませんか?
ついついやってしまいがちな「分かったつもり」のコミュニケーション。
部下に限らず、どのような相手であっても、話を聴く時は
「心で聴く」よう気をつけていきたいものですね。
それができて、はじめて人と人は『対話』ができるようになります。
対話:お互いに共通する状況の「意味」を共有すること
是非、皆さまと対話ができる日を楽しみにしております。
文責:キャリアコンサルタント 辻 亜希
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!