成功体験を押し付けない
※本ブログは、文末YouTube動画「成功体験を財産に変える ティーチング+α」のポイントを抜粋した記事となります。
『やってはいけないティーチング』では、「過去の成功体験や、自信をもっている経験や知識、うまくいった方法を部下へ押し付けてはいけない」とご案内しました。
- 「過去にうまくいった方法」で『絶対うまくいく!』と、自信をもって部下に語る
- 部下に同じ方法(過去にうまくいった方法)を行うように促す
押し付けていけない理由等については、こちらをご覧ください。
では、過去の成功体験や、うまくいった方法は、伝えてはいけないのでしょうか?
いえ、そんな事はありません。
大いに、素晴らしい成功体験を、後世に伝えていってください。
成功体験の伝え方
では、どのように成功体験を伝えていけば良いのか?について、ご案内します。
それは、成功体験をそのまま伝えるのではなく、リメイクして伝えていくことが重要です。
成功体験を再現性の高いものへ、リメイクする事です。
人の資質(強み・弱み)に左右されないものへ | 誰がやっても、同じような成果が出るように、リメイクする |
環境・状況変化に左右されないものへ | どのような環境、状況においても、再現性が高く成果が出せる方法へ、リメイクする |
リメイクの方法
では、『過去の成功体験(うまくいった方法等) ⇒ 再現性の高いノウハウ』へリメイクする方法をご紹介します。
こちらは、私どもがコンサルティングした様々な企業様や、コンサルタント仲間が成果を出している方法です。
1.過去の成功体験を「人」へ話す。
2.様々な角度からの質問を受ける。
3.知見の部分だけ引き出して、ノウハウとする。
- 知見⁼体験・経験を経て知ったこと。
- ノウハウ=物事を行うための方法や手順に関する知識
過去の成功体験を、順に切り分けてリメイクする
(1)→①
(2)→②
(3)→③
(4)→④
過去の成功体験 | 切り分ける | リメイクしてノウハウへ | ||
---|---|---|---|---|
(1)「あなた」だから、成功した部分 | Aの商品開発を許可してもらえるように、積極的に上司にアピールし、商品開発を任された | ⇔ | ①あなた以外でも、成功できる部分 | Aの商品開発を許可してもらうための承認ルートの整備 |
(2)「あなた」だけが、使える知見 | Aの商品開発に、「あなた」の専門分野の知識と技術を生かして成功 | ⇔ | ②あなた以外でも、使える知見 | 「あなた」以外でも習得できる知識と技術を切り分け、まとめる |
(3)状況が変化したら、使えない知見 | Aの類似商品が流通し飽和状態になっている | ⇔ | ③状況が変化しても、使える知見 | Aの商品開発時に、市場調査→新商品開発に活かした知見等、状況が変化しても使える知見がないかチェックしていく。 |
(4)過去の使えない部分 | Aの商品開発のみ使える技術、方法 | ⇔ | ④リメイクしたら使えるかどうか、更に検討する。 再現性のあるノウハウへ | A以外の商品開発へ使える技術、方法を切り分ける |
4.3①~④を、体系的にまとめる。
全体的に秩序立てて、関連ある物事をまとめていきます。
5.後世に伝えていく
リメイクされた再現性のあるノウハウとして、後世に伝えていきます。
皆さんの成功体験を、是非リメイクして素晴らしい財産に変えてください。
そして、リメイクされたノウハウを後世に伝えていくことが、部下の成長を大きく左右します。
私どもも、皆さまのリメイクされたお話をお聞かせいただける日がくるのを、とても楽しみにしております。
過去の成功体験等のリメイクの方法や、体系化したい場合に、「ちょっとした疑問」や「ご相談」についても、お気軽に無料相談をご利用ください。
文責:キャリアコンサルタント 辻 亜希
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!