先日、クライアント様で

問題解決力をあげるトレーニングを

行っていた時のこと。

「人間力を高める研修を隣の教室でやってるんですよ~」

と教えていただいた。

よくある研修だし、実際に弊社でも

依頼を受けることがある。

人間力を高めるってどういうことなのか?

そのようなプログラムでご依頼を

いただく際には毎回、

クライアントさんにいろいろヒアリングさせて

いただく。

幹部人材を育てたいので、

人間力がある人を。。。

みたいな話が多いように思う。

しかし。

人間力ってどうやったら身につくのか?

人間力って研修で身につくものなのか?

私の答えはNO。

ここに、

土光敏夫さんの言葉を引用させていただく。

計画とは「将来への意思」である。
将来への意思は、現在から飛躍し、無理があり、実現不可能にみえるものでなくてはならない。
現在の延長線上にあり、合理的であり、実現可能な計画は、むしろ「予定」と呼ぶべきだろう。
将来への意思としての計画は、困難を受け入れ、困難に挑み、困難に打ち勝つモチーフを、自ら
のうちにもたねばならない。
計画は、自己研鑽の場をつくる高い目標を掲げ、何がなんでもやりぬく強烈な意思の力によって、
群がる障害に耐え、隘路を乗り超える過程で、真の人間形成が行われる。
艱難汝を玉にす。
そして艱難を自らに課し続ける人間のみが、不断の人間的成長を遂げる。

引用:「信念の言葉」土光敏夫著

前半も本当に素晴らしい言葉であるが、

今回は、最後の一文を取り上げたいと思う。

「艱難を自らに課し続ける人間のみが、不断の人間的成長を遂げる」

これが答えではないだろうか。

先日、組織開発・チームビルディングを学ぶ合宿に参加した。

そこでは今回、

”成人発達理論”を学んだ。

こちらは成人の能力の発達に関する研究をしている

加藤洋平氏の書だ。

成人発達理論による能力の成長

(加藤洋平著)

この書の中でも同じようなことが書いてある。

この成人発達に関して私が理解していることを

お話すると‥‥

人間は、様々な経験をしながら成長していく過程で、

もう今の自分ではこれ以上は無理、

自分のキャパオーバーとなった時に

はじめて自分自身の器を大きくしようと努力する。

この自分自身の器が大きくなるということ、

器が大きくなった分、

もっといろいろなことができるようになり、

ますます成長が促される。

この器が大きくなることが人間力ではないか。

(以上、菅生の解釈も入っていますので、

詳しく知りたいからは書をご一読ください)

人間力は人間力をあげようと思ってあげられるものではなく、

様々な経験の先に人間力の成長があるのだ。

例えば、

・部下Aとの人間関係がうまくいかず、

仕事をもっと精力的に実行してほしいが

なかなかやってもらえず、

他の部下の負荷が高くなっている、

・お客様からチャレンジングなリクエストを

いただいた、

など様々な経験をするから、どうやったらこれを

乗り越えられるか必死に考え、自分自身を変化させ、

行動しようとするのだ。

それが成長だと思う。

だからあえてお伝えすると、

上司がこのような部下の成長を願うなら、

部下を最初から手助けするのではなく、

部下が経験を積めるように場を提供することだ。

それはしっかり部下を観察していないと

経験の場を与えすぎて高負荷となり

メンタル不調になったり、

全く負荷がかかっていない状態になることもある。

なので、

プレイングマネージャーへの負荷は

かなり大きい(笑)

負荷が高いからこそ、

プレマネがもっとも成長するのか、

それとも、

プレマネがマネジメントを手放し、

自分で負荷を下げるのかは

そのマネージャー次第だ。

御社のマネージャーは、

どんなマネージャーに育ってますか?

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