「そこじゃないんだよね」を解消する対話の構造化

管理職との認識ギャップに悩んでいませんか?

「なぜ私の意図が伝わらないのだろう」

「どうして議論がかみ合わないのだろう」

「また話がずれている…」

このような思いを抱いたことはありませんか?
多くの中小企業経営者が、管理職とのコミュニケーションに苦労しています。
「そこじゃないんだよね」と思わず口にしそうになる瞬間、それは対話の構造がズレている証拠なのです。

ズレ」の正体とは?視点の違いを理解する

事例:新商品開発会議での出来事

先日、ある製造業の経営者からこんな相談を受けました。

「新商品開発の会議で、
私は市場のニーズに合わせた製品コンセプトの話をしたかったのに、
営業部長は競合他社の価格帯の話ばかり。
技術部長は実現可能な製造工程の話に終始していました。
みんな自分がしたい話ばかりなんですよ。
言いたいことはわかりますが、なぜ話がズレるんでしょうか?」

こちらの経営者は、管理職たちが「違うことを考えている」と感じていました。
しかし、実は皆が「良い製品を作りたい」という同じゴールに向かっています。
ただ、「ずれ」が起こるのは、それぞれの立場から見える景色が違っているから、というだけなのです。

対話の構造化で認識を共有する

このような「ズレ」を解消するには、「対話の構造化」が効果的です。
具体的には、ロジカルシンキングの手法を活用することで、お互いの考えを明確に整理できます。
そのフラストレーションは5分で解決します。

議論の整理のシンプルな方法は、以下の2点です。

①カテゴライズして構造化する②言葉を定義する
意見が出たら、それらを似たものを集めること、カテゴライズされた中でも更に関係性を整理すること。
※構造化のイメージ図参照。
ロジックツリーを使うと効果的。
定義が人によって解釈が分かれる言葉や共通言語になっていない言葉は、ここでの定義を必ず確認すること。
(例)「コンセプト」とは、「誰にどんな価値をどのように提供(アプローチ)するかを示した核となる方針」など。

※構造化のイメージ図(ロジックツリー)

この構造化と定義によって、実は意見が対立しているのではなく、単に「着目している部分が違う」だけだということが明らかになることが多いのです。

構造化がもたらす組織への効果

対話の構造化を習慣にすると、組織に様々な良い変化が生まれます

  • 管理職は経営者の思考プロセスを理解しやすくなり、
    「否定された」「それ違う!と否定したくなる」感情が減ります。
  • 管理職自身が論理的思考を身につけ、自信を持って業務に取り組めるようになります。
  • この思考法は部下育成にも応用でき、組織全体の思考力が高まります。
  • 経営者の考えが全社員に正確に伝わりやすくなります。
  • 経営者自身も、多様な視点に触れることで視野が広がります。
  • チーム全体で多角的な視点を活かした、より良い意思決定ができるようになります。

まとめ:「ズレ」を財産に変える

「そこじゃないんだよね」と感じる瞬間は、実は組織の成長チャンスです。
それは多様な視点が存在している証拠であり、適切に構造化することで、その多様性を強みに変えることができます。

ロジカルシンキングを基にした対話の構造化。

今日から実践してみませんか?
きっと、あなたの組織のコミュニケーションが変わり始めるはずです。

ロジカルシンキングは、経営者・管理職には必須の思考法です。
考え方がロジカルな人も、実務で使えるロジカルシンキングを学ぶことで、議論や会議、情報の整理など、様々な業務が効率的、効果的になります。
うちの社員にも学ばせたいという方はいつでもご相談ください。

文:菅生としこ

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