あなたの会社では、人材育成はどのように行っていますか?
そう質問されると、何も行ってない、という方もいるかもしれませんね。
〇〇さんに、この知識を身につけてほしい。
★★さんに、このスキルをマスターしてもらいたい。
管理職に昇格した◇◇さんには、マネジメント力をつけてほしい。
このように、個人を対象に、スキルや知識アップのために行うのが人材育成です。
人材育成には、いくつか種類があります。
人材育成の機会としては主に、
・OJT(業務を通して教育する方法)
・Off-JT(業務を離れて教育する方法。研修、講習会など)
・コーチング、1on1(部下と1対1での面談での育成方法)
人材育成の方法論では、
・ティーチング(答えを教える)
・トレーニング(ある業務ができるまで何度も繰り返す)
・コーチング(自分に合った答えを自分で見つける)
など、様々です。
例えば、部下から質問されたら回答する。
業務ができるように配属されたばかりの人には業務を教える。
というのも人材育成です。
そう言われると、あなたの会社も人材育成を行っているのではないでしょうか。
しかし、
部下がいつまでもできるようにならないんです、
社員のやる気をあげたなかったのに、やる気があがりません、
丁寧に教えたら自発的に行動してくれると思ったのに、そうはならないんです、
など、お嘆きの声をよくお伺いします。
同じ業界のA社とB社
人材育成の1つ、OJTをやっているA社とB社があります。
A社とB社は、同じ業界で、社員数もあまり大差がありません。
A社では、自発的に行動できる社員がどんどん育っていきます。
B社では、いつまでも上司が部下が育たないと嘆いています。
何をするか?どのように行うか?
実は、人材育成においては、
「何をするか?」ではなく、「どのように行うか?」が大きな鍵です。
どちらの会社も、同じようにOJTで(実務を通して)社員の人材育成を行っているにもかかわらず、大きな差が出る理由は、何をしたか(OJT)、ではなく、どのようにしたかに相違があることです。
どんな人材育成であれ、仮に〇〇な社員を育てたい場合、「何をするか?」ではなく、「どのようにするか?」をデザインすることが非常に重要です。
あなたは、社員の育成において、「何をするか?」だけでなく、具体的に「どのようにするか?」を考えていますか?
考えていなければ、B社のように大損している可能性が高いと思われます。
なぜなら、教える側も、教えられる側も、どちらも長い時間と労力・お金を割いているにも関わらず、多くの場合、効果が薄くなるからです。
逆に、「どのようにするか?」をしっかり考えていれば、効果は3倍以上高まります。
人材育成で効果がでないな、という場合、「何を行うか」も大事ですが、「どのように行うか」をぜひ考えてみてくださいね。
(文・菅生としこ)
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!