社員同士の関係性があまりよくないために、些細ないざこざがあったり、仕事を依頼しにくくなったり、周りが必要以上に気を遣うなんてこと、ありませんか?
仲良くしてほしいと言ってるわけではなく、仕事に支障が出ないようにうまくやってくれたらいいだけなのに、と思いますよね。
これは、部下同士のコミュニケーションの問題ではないのです。
先日も、ある人事部長からこんなご質問がありました。
「どうしたらうまくやれるんでしょうか?」
方法は、組織の目的や目標、そこに紐づく個人の目的や目標、役割をしっかり共有することです。
目的目標や役割は、本人はわかってるはず!と思いますよね。
でも残念ながら、冒頭のような職場内の関係性が良くない場合、ご本人たちは目的目標・役割をわかっていないことが大半です。
上司が思っているほど、部下には伝わっていないのです。
理由は簡単で、上司が持っている情報と、部下の持っている情報が違い過ぎるからです。
別の言い方をすると、上司が見えている景色・上司の視野と、部下の見えている景色・部下の視野には雲泥の差があるので、部下は見えていないものには気づかなないので、伝わっていないことも非常に多いのです。
仮に、部下に伝わっていたとしても、納得できていない、合意していない場合にも、共有できている状態にはなりません。
目的目標や役割が理解・納得・合意できていなければ、自分は会社・チームの一員であるという認識が薄くなり、会社・チームのために頑張ろうという意識も低くなり、一員であるい認識が薄くなれば、自分が与える組織への影響を過小評価します。
そして、「組織」を意識するよりも、「自分」に意識が向き、自分本位、利己主義になるために、自分の感情(好き、嫌いなど)を優先し、わがままになるのです。
あの人のことが好き、嫌いという感情論になってしまうと、これには手の打ちようがありません。
仕事は、やりたいことだけではなく、やらなければならないこともありますよね。
それを理解してもらうことが大切です。
感情に振り回されている方は、やりたい/やりたくないという基準で仕事をしているケースが多々ありますが、組織の目的目標、個人の目的目標・役割が理解できていれば、あの人ととは仕事がしたくない、だけでなく、あの人とはこの仕事を協力して行わなければならない、それが自分の役割だと理解できるようになるのです。
だとしたら、どう振舞わなければならないかが、わかるようになります。
上司であるあなたは、感情で仕事をする彼らが悪い、というのではなく、組織の目的目標、個人の目的目標・役割をしっかり伝えられているのか、相手の理解度や疑問点など、相手の話も聴くことができたか、という視点で考えると、話し合いはうまくいきますよ。
(文:菅生としこ)
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!