社員の社内研修やセミナー受講、何のために行っていますか?
ご承知の通り、日本は人口も、生産年齢人口(働く世代の人口)も減少局面に入り、残念ながら今後、世間一般的に買い手市場になることはまずありません。
ということは、常に売り手が優位で、いかに選ばれる企業になれるかが、企業存続には非常に重要です。
一朝一夕に組織は変われないので、早く対応するかどうかが、あなたの会社の命運を分けます。
そして、今いる社員が辞めてしまったら、次々と採用ができる時代ではないため、今いる社員に働き続けてもらうことも必須です。
しかし、ただ単に会社に在籍してもらっているだけでは会社は成長しないので、今いる社員が能力を最大限発揮し、今いる社員でますます成果をあげてもらうことが必要不可欠です。
そこで近年、企業方針として
・魅力ある会社、働きたくなる会社にする
・社員が辞めない会社にする
・社員の育成・定着に力を入れる
企業が非常に増えています。
今日はこの中でも、社員の育成についてお話したいと思います。
さて、再度質問です。
社員育成・研修は何のために行っていますか?
多くの企業では、社員の知識やスキルを高めたり、力を発揮することで、仕事のクオリティをあげること、要するに行動によい変化をもたらすことではないでしょうか?
重ねて質問です。
研修を行うことで、どの程度、良い変化がもたらされていますか?
目標達成に、どの程度寄与していますか?
そうお伺いすると、「よくわからないです」という答えが返ってくることが多いです。
あなたの企業ではいかがでしょうか?
研修の効果は把握するのが難しいし、効果はよくわからないのであれば、研修に意味がないのか、というとそうではありません。
それでも意味があるだろうと、育成・研修を続けている企業様が大半です。
育成や研修をしなければ、人の知識や能力に大きな向上はみられず、成果は右肩上がりに大きくなることはないからです。
だからこそ、育成・研修は行いつつも、育成や研修を行う時には必ず得たい成果を明らかにし、効果を見える化することが重要なのです。
得たい成果を明らかにすることが、受講者のやる気を高め、成果をあげる行動をとることへの意欲を高めることにも繋がります。
研修を受講したところで、何の役に立つのかわからない研修は、受講者にとっても苦痛です。
社内講師が研修を行う場合も、外部講師に研修を依頼する場合も、是非どんな成果を得たいのかを明らかにした上で実施することで、人材不足の時代であっても、人は成長し、組織は必ず成長し続けます。
春は研修の季節です。
得たい成果を再度考えてみてくださいね。
(文:菅生としこ)
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!