部下の成長に関して頻出するフレーズTOP3
「人を成長させるって難しいですね。」
「やる気がないと成長しないですよね?」
「若い子でないと成長しないですよね?」
こうして部下育成を諦めてきたという経営者さんや人事ご担当者様のお話をよくお伺いします。
これは「部下に成長してほしい!」という裏返しです。
その時点で、部下の成長を考えているということなので、素晴らしいなぁと思います。
一方で、おっしゃることもよくわかります。
人の成長は、赤ちゃんの頃と比べたら格段に遅くなっています。
第一次成長期、第二次成長期に、立って歩き始めるとか、語彙が増え、おしゃべりが上手になるとか、身長が伸びるなどという体験をしているので、それと比較してしまうかもしれません。
今日は、“人が成長したと思えるとはどういうことか” についてお話します。
前提を申し上げると、人は確実に成長します。
必ず成長します。
大人になっても成長します。
ただ人によって成長の速度が違うことと、環境によって成長の速度が変わります。
成長の速度や成長のレベル感は、あなたがどういう人かによって変わります。
そういうわけで、成長に関わる要因は多々あります。
成長のスピードをあげる方法
「そんな細かいことはどうでもいいから、成長のスピードを上げるにはどうしたらよいのか?」という声が聴こえてきました。
はい。
では、どうしたら成長を早めることができるのか?
それは、学習力を高めることです。(大人の場合です。)
これに尽きると思います。
成長は学習によって促されるのです。
今日は、学習力を高める方法についてお話する前に、学習、成長していることに気づけるようになる方法についてお伝えします。
なぜなら、大抵の方は成長していることに気づいていないだけだからです。
第三者は気づいても、上司部下の関係だと当事者になってしまい、気づきにくくなるものです。
学習とは何か?
学習とは、
- 知識が増える
- 経験が増える
- 応用ができる
- 向上する
- 新たなものの見方ができるようになる
などを指します。
どれも、今より何かがプラスアルファされた状態です。
どんなことでも、昨日よりプラスアルファがあれば、学習し、成長しているのです。
しかし、学習しているかどうかは、あえて学習しているかどうかを確認する行為をしなければ感じられません。
残念ながら、学習したことは目に見えないことが大半だからです。
だからこそ、学習=成長していることを感じるためには、部下に次のような問いを投げかけてみてください。
たとえば、今日(1週間、1か月など)などの期間を区切り、
「できるようになったことは?」
「得られた新しい知識や経験は?」
「今日を振り返って、何か得られたことは?」
「今日を振り返って、明日以降の役に立つと思ったことは?」
などと、学習を振り返る機会を持たせてあげてください。
それにより、あなたはもちろん、部下自身も自分の成長を感じられるようになります。
成長実感を感じられるようになると、“はたらく”ことが面白くなってきます。
自分を振り返らなければ、学習を感じられませんし、成長を感じられません。
このように振り返る機会を持つことが、学習、成長していることに気づけるようになる方法です。
部下が成長しないことにがっかりしているということは、期待しているということですよね。部下の成長をみようとすることで、少しは期待に沿ってくれていることを実感できます。
部下への問い、ぜひしてみてください。
あなたのためにも、部下のためにも。
次回は、今回の内容を踏まえて、学習力を高める方法についてお伝えします。
ご質問、ご感想など気軽にお寄せください。
楽しみにお待ちしております。
文:菅生としこ
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!