会社には、役職や階級、キャリアなどを基準とした上下関係が存在します。
「仕事は好きだけれども、上司が苦手でストレスがたまる」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、「上司があの人じゃなければいいのに」と思っていても、多くの場合、部下が上司を選ぶことはできません。
そのため、与えられた環境の中、少しでもストレスを感じることなく仕事をしていく解決策は、自分で探す必要があります。
そこで今回は、「上司と合わない」「上司が嫌い」と感じたとき、どのように対処すればいいのかを紹介します。
上司との関係に悩んだときの気持ちの持ち方、考え方のポイントを知り、自分に合った対策を立てましょう。
目次
1. 「合わない上司」「嫌われ上司」の特徴と対処法とは?
「合わない上司」とひと口にいっても、いろいろなタイプがあります。
まずは上司のタイプ別に、対処法を紹介します。
(1)感情的で気分の浮き沈みが激しい
さっきまでニコニコしていたのに、突然「何をやってるんだ!」「何度言ったらわかるんだ!」と感情的に怒鳴りだす上司がいます。
かと思えば、仕事がうまくいかなかったときには、周りがどう振る舞えばいいのかわからないほど落ち込んでいることも。
このような、感情的で気分の浮き沈みが激しいタイプの上司に対しては、同調すると自分の気持ちも引きずられ、
同じようにイライラしたり暗い気持ちになったりしてしまいます。
特に上司が不機嫌なときには、「もしかしたら自分が原因?」と考え不安に感じる人もいるでしょう。
けれども、相手の感情はコントロールできません。
上司の感情の原因を探り、取り除くことを考えるより、
上司の感情に振り回されないよう、自分をコントロールすることに注力しましょう。
ひとことでいうなら、「気にしない」ということです。
感情的な上司というのは、ある意味「考えていることが見えやすい」人ともいえます。
大切な話をするときは、感情の波の穏やかなときを見計らい、コミュニケーションを取るようにしましょう。
(2)的確な目標を示さず結果を求める
部下に対して的確に目標を示すことができないのに、結果だけは求める上司がいます。
「部下に任せてあとは責任を取る」立派な態度に見えることもありますが、
実際には単にマネジメント能力が欠けているケースが多いことが特徴です。
「部下に任せる」態度を取っていながら、実は「何を指示すればいいのかわからない」だけのことすらあるでしょう。
このような人を上司に持つと、本来上司本人が担うべき仕事を、部下がフォローすることになりがちです。
仕事ができない上司について悩んでいるときは、上司よりも立場が上の、信頼できる人に相談する以外にないでしょう。
(3)部下に共感しようとしない
部下に共感しない上司も、一緒に働くとストレスがたまります。
例えば、どれだけがんばっても業績を上げられないとき、共感性が不足した上司は結果だけを見て判断しがちです。
そこまでの過程や、何があったのかを考慮することなく、「努力が足りない」「能力がない」と追求してきます。
共感力のない人は、人の気持ちを読み取れないことが特徴です。
こういったタイプには、「気持ちをくみ取ってほしい」と思っても通じません。
部下が不満や不平を感じているとは、思っていないことすらあります。
共感力の低いタイプの上司には、感じたこと、考えていることをはっきり伝えるようにしましょう。
「こう考えたのでこうしたのです」と伝えることで、「そう思っていたのか」と気づいてもらえます。
(4)自分が常に正しいと思っている
自分が常に正しいと思っている上司は、独りよがりでどんな状況になっても自分の考えを曲げないことが特徴です。
このような上司に対しては、真っ向から反対意見を述べるのは得策ではありません。
こういったタイプは人の意見を聞かないので、「他人が自分に意見する」行為に対してすら嫌悪感を抱くのです。
基本的には業務に損失や被害が出ることがなければ、上司の思うようにさせておくのが一番ですが、
仕事のうえでは意見しなければならない場面もあります。
そのようなときでも、「お言葉ですが」といきなり意見を切り出すのは避けましょう。
まずは「なるほど確かにそうでうね」「さすがにいい案をお持ちです」と、いったん上司を立てたうえで、
「さらにこうするとよくなるのでは?」「こういったアプローチもあるのでは?」と、
否定するのではなく「提案」の形で、意見するのがおすすめです。
2. 上司に対するストレスの原因を知ろう
上司に対してストレスを感じているときには、
「どうしてその上司が苦手なのか?」「どういった点が合わないのか?」と、自分の気持ちを見つめることも大切です。
冷静に、客観的に原因を探れば、いろいろなことが見えてくるかもしれません。
例えば、共感してくれない上司にイライラするのは、
「自分のがんばりを認めてほしい」という感情が、自分の奥底にあるのではないでしょうか?
そこに気づけば、「共感してほしいと願いながら、認めてもらえる努力を自分はしたのか」と、振り返るきっかけになるでしょう。
また、上司の「どこが」「どんな風に」嫌いなのかを把握しておくと、
効果的にストレスの素となる場面を回避したり、軽減することができるようになります。
ただし、嫌いな上司を無理に好きになる努力をする必要はありません。
どうしても好きになれない人を、無理に好きになろうとがんばったり、
「上司が嫌い」という感情を、「ネガティブで醜いものだ」と抑え込んでしまうことは、自分が苦しくなるだけです。
3. 「嫌いな上司」と仕事を続けるためのスキルとは?
苦手な上司と働くのがどうしてもつらいときには、「転職」も選択肢に入るかもしれません。
しかし、転職は可能な限り避けたいのが多くの人の本音でしょう。
嫌いな上司がいる職場で仕事を続けていくために、身につけておきたいスキルを2つ紹介します。
(1)コミュニケーション力は鍛えることができる
どれだけ合わない上司がいても、仕事である以上は話をするなど、コミュニケーションを取る必要があります。
しかし、「嫌いな相手だけだけではなく、もともとコミュニケーションを取るのが苦手」といった方もいるのではないでしょうか。
コミュニケーションをうまく取れる人を見ると、「明るい性格で頭の回転が速いからうらやましい」と思いがちですが、
実はコミュニケーション力は性格や才能などは関係ありません。
コミュニケーション力は、「伝える力」と「受け取る力」の両方が必要ですが、どちらもトレーニングで鍛えることが可能です。
コミュニケーションが下手な人は、ただ単に「正しいコミュニケーションの取り方を知らないだけ」であることが多いのです。
コミュニケーション力を鍛えることに成功すれば、苦手な上司に自分の意見をうまく伝えられるようになるかもしれません。
相手を好きになれなくても、相手の機嫌や感情に振り回されることなく意見を交わせるようになれば、
ストレス軽減につながります。
(2)精神的ストレスは「対処法」で軽減できる
精神的なストレスは、相手のタイプを見極めて適切に対処することで軽減できます。
「相手に合わせて対処する」といっても、それは決して相手の感情に振り回されることではありません。
相手の感情や気持ちを冷静に見極め、自分の気持ちをコントロールすることを意味します。
相手の気持ちや感情はどうにもなりませんが、自分の感情や思考ならコントロールできるはずです。
苦手な上司の言動や振る舞いにいちいち動じることは、相手に自分の感情を握られているのと同じではないでしょうか。
苦手な上司のタイプを見極め、一歩距離を置き、相手の振る舞いに対しての自分の感情や思考をコントロールできれば、
精神的なストレスを軽減することができるでしょう。
まとめ
合わない上司が職場にいるのは憂うつで、仕事に行くのがつらくなるほどのストレスとなることがあります。
そんなときでも、コミュニケーション力を鍛え、自分の感情や思考のコントロールがうまくできるようになれば、
相手の振る舞いや言動に振り回されることが減り、ストレスを軽減できます。
コミュニケーション力を鍛える、感情をコントロールするといっても、
「どうすればいいのかわからない」「持って生まれたものだから私には無理」と思う方もいるかもしれません。
しかし、コミュニケーション力や、自身をコントロールする力は、後天的に鍛えることができます。
こういった能力を身につけたい、高めたいと考えたときには、パーソナルコーチングを受けてみるのがおすすめです。
パーソナルコーチングは、目標達成やモチベーションを上げるためだけではなく、
実は、自分が抱えている悩みや課題を客観的に見る思考力を身につけることにも有効です。
結果的に人間関係の改善にも役立ちますので、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。