戦略人事とは何か

今週から「戦略人事」についてシリーズでお伝えします。
初回は、「戦略人事」とは何か、です。

戦略人事

この言葉を聞いて、こんなクエスチョンが浮かんでいるかもしれません。
人事戦略のこと?
いいえ、人事戦略と戦略人事は別物です。
人事部の仕事?
人事部かもしれませんし、経営者の仕事かもしれません。
会社によっては、経営陣と経営企画部と人事部の仕事の場合も。

戦略人事とは、

経営戦略を実現する人・組織を戦略的につくるか考え実行することです。

経営戦略と人事戦略を連動させることが重要なので、経営者、経営陣と人事部、経営企画室がタッグを組む必要があります。

会社によっては、経営者と右腕が二人で戦略人事を主導する場合もあります。
それなら今でもやってるよ、とおっしゃる方もいらっしゃいますよね。
そうです、既にやっていることがベースとなります。

たとえば、「3年後に〇〇の技術を製品化するために、1年後には新事業企画室を立ち上げ、3人採用する」という具合です。
こんな風にやってますよね。
上記の例は、プロジェクトの成功のために、よくあるケースです。こんな感じでやっている企業様が多いように見受けられます。
では、「3年後の製品化」というプロジェクトを実現させるために、1年後に新事業企画室を立ち上げて3名採用すればかなりの確率でうまくいくと言えるのでしょうか。
もしかしたら、3名の新規採用しても、会社の文化や意思決定スタイルになじめず、力を発揮できないかもしれません。
3名はそりが合わず、だれかが途中で辞めてしまうかもしれません。
製造部、営業部は、新規採用者に積極的に協力するでしょうか。
新事業企画室のリーダーは誰が適任なのでしょうか。
リーダー適任者はどのように見つけますか。
今、適任者がいなければ、いつまでにどうやって育てますか。
それとも役職を与えればその人は責務を全うできるようになると考えるのでしょうか。
またこういったことは、このプロジェクトだけを考えていては部分最適にならないでしょうか。

など、その他にもいろいろ検討事項はありますね。
考えられる問題をしらみつぶしにすべてあげて、その問題への対応を事前に考えておこうということではありません。
3年後に戦略が実現しているとすれば、いつの時点で何がどうなっているかを考え、そのために、楽観主義ではなく、プロジェクトが実現できるよう、戦略的に考えることです。
そして、こういったことをプロジェクト単位だけでなく、会社全体の経営戦略が実現するために何を実行すればよいかを会社全体の今と未来を見据えながら、戦略的に考え実行する、それが戦略人事です。

戦略人事とは、

経営戦略を実現する人・組織を戦略的につくるか考え実行することです。

会社の成長のために立てた戦略(計画)を実現するための考え方であり、方法論です。

次回は、戦略人事を行うために、何を考えたらよいのか、についてお伝えします。

文:菅生としこ

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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