一般的に社長・経営陣は、
「あれもこれも早く、早く!」
とスピード感を大切にされる方が大勢いらっしゃいます。
だって世の中がこれだけ目まぐるしく変化していたら、それに合わせて経営も
スピードアップさせなければならないので当たり前のことですよね。
そして。
私もせっかちなので、よくわかります。
スピード、大事です!!!
一方で解決や達成までなるべく早く!
と社員に求めると、それが達成されないこともチラホラでてくるのを現実です。
そうすると、社員の能力不足が気になります。
多くの場合、社長の能力>社員の能力だからです。
なので、社長はこうやったら早く達成する、という道筋が見えるのです。
そして、早く解決したい、スピードを求めたいと思うと、
このやり方でやってほしい、とコントロールしたくなるのです。
部下の強みを使って問題を解決する方法を考えてもらおうという考え方ではなくなります。
悪いことではありません。
コントロールと書きましたので、悪いコトのように聞こえるかもしれませんが、
コントロールのレベル感の問題なのだと思います。
コントロールを続け、いわゆるマイクロマネジメントになってくると、
社長・上司の有能さが組織の成果を決めることになります。
スピードを求めようとすればするほど、箸の上げ下ろしとまでは言いませんが、
細かなことまでいろいろ言いたくなってしまうのです。
ある程度のレベルまではその方が成果がでます。
だから、そちらを選ぶ経営者がいるのも理解できますし、それを否定するものでもありません。
しかし、コントロールは社員の行動をその場では変えられます。
でもそれは長続きするのでしょうか?
モチベーションはあがるのでしょうか?
そしてコントロールし続けるということは、
自分一人ではこれ以上の成果をあげられない限界ラインが訪れるのです。
いろいろ口出しすればするほど、自分の仕事が進まない、自分のやるべきことが後回しになります。
だからこそ、自分の限界ラインの手前でコントロールを手放すことが大切です。
それをしなければ社員が育ちません。
そしてもう少しお話すると、
今までコントロールしていたのに、急には社員は育ちません。
コントロールを手放すことができてからかなりの時間の遅れがあり、ようやく社員が育ち始めます。
そうです、しばらくは我慢が必要です。
だから、早めにコントロールを手放すことが肝要です。
でもコントロールすることでスピードが手に入る!
という麻薬を使ってしまうと、なかなか手放せないんですよね。
ということで、スピードを求めるとコントロールしたくなります。
皆さんは社員さんの力も活かしていますか?
文:菅生としこ
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!