ティーチングとは

※本ブログは、文末YouTube動画「やってはいけないティーチング」のポイントを抜粋した記事となります。

『ティーチング』とは、部下育成で、主に新入社員や、部署移動した社員、または昇格し管理職になった社員などに対して、知識や技術などを教える方法です。

ティーチングの主な例
1.指導、習得する目的を説明する
2.方法、手順を説明する
3.手本を見せる
4.社員に実践させる
5.アドバイスをする

ティーチングをする場面や内容は、企業様によって様々ですが、その中で共通して
「やってはいけないポイント」があります。
それは、
「〇教える」ことで、「×押し付ける」ことではない
という事です。

やってはいけないポイント

では、ティーチングで上司が部下に指導する際に、ついやってしまいがちな例をご紹介します。

・過去の成功体験を熱く語る
・様々な知識や経験、専門分野について、自信をもって熱く語る。

これは、上司自身の経験を基に語られているため、一見良きアドバイスのように感じられます。

しかし「過去にうまくいった方法」が、「今後もうまくいく方法」とは限りません。

ティーチングで、ご自身の経験等を語られる際には、以下の2点について確認しましょう。

確認事項詳細
1.状況の変化がないか・市場の状況の変化
・お客様の環境の変化
・自身の取り巻く環境の変化
状況や環境に変化があれば、過去の方法が通用するかどうかを検討する。
しかしながら、常に情報や状況を把握するのは、非常に難しい。
2.誰が実践するのか上司と、部下は同じ人物ではない。

(例)
上司=論理的思考→Aの方法で成功
部下=直感的思考→Aの方法で成功するとは限らない。Bの方法で成功するかもしれない。

部下の強みは各々異なるため、強みを活かした方法を模索し、アドバイスを考える必要がある。

1.すべての状況に変化がなく、2.同一人物が実践するのであれば、「過去にうまくいった方法」が「今後もうまくいく方法」として、通用するかもしれません。
その場合は、成功した本人が「自分はこの方法で成功した」という経験を客観的に整理し、体系化することで、仕事に対する自己概念化を行うと良いでしょう。

しかし、もしあなたの「過去にうまくいった方法」を以下のように部下へ押し付けた場合、

  1. 「過去にうまくいった方法」で『絶対うまくいく!』と、自信をもって部下に語る
  2. 部下に同じ方法(過去にうまくいった方法)を行うように促す
  3. 部下が同じ方法を行っても、成果が出ない。

困るのは、あなたでしょうか?
困るのは、部下です。そして、自信を無くすのも、部下です。

ティーチングの極意

ティーチングは、とても効率が良く知識や技術を習得できるメリットがあります。
しかし、ついつい上司は良かれと思ってご自身の経験や「過去にうまくいった方法」を熱く語ってしまうと、部下の強みを活かした方法を模索する機会を無くしてしまう可能性があります。

重要ポイント

上司が部下へティーチングを行う際は、過去の成功体験や、自信をもっている経験や知識、うまくいった方法を部下へ押し付けない。

経営者や、リーダーの方は、様々な経験や知識を積み重ねられていると思います。
その中でも、失敗から学ばれた点や、その経験から次の実践に活かせた事なども多くあるのではないでしょうか。

成功体験でなくとも、失敗談やそこから学ばれたポイント等を語って頂くと、部下が疑似体験ができると共に、部下自身が「自分なりの方法」を模索するヒントにもなります。

是非とも、『部下にとって何が大切なのか』を念頭に置きながら、ティーチングを実践していってくださいね。

次回は、「あなたの成功体験は後進にどう伝えるのか?」についてお伝えします。
ご期待ください!

ティーチングについて手順や方法について、「ちょっとした疑問」や「ご相談」についても、お気軽に無料相談をご利用ください。
文責:キャリアコンサルタント 辻 亜希

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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