2021年の大河ドラマ「青天を衝け」では、

渋沢栄一氏がモデルでした。

毎週欠かさず見ていました。

終わってしまって残念ですが、

大河ドラマなので仕方ありません。

2024年には新一万円札の顔になります。

日本資本主義の父とか、

近代日本経済の父などと呼ばれています。

日本初銀行「第一国立銀行(現みずほ銀行)」、

「東京株式取引所(現在の東京証券取引所)」

を創設したり、

東急電鉄、東京電力、東洋紡、帝国ホテルなどなど

会社設立にも関わっています。

今も昔もすごい方であるのは間違いありません。

では…

なぜこの渋沢栄一氏が今、

クローズアップされるでしょうか?

なぜ今、新一万円札の肖像画が

渋沢栄一氏なのでしょうか?

ビジネス界での功績は本当に素晴らしいことは

火を見るより明らかです。

でも、なぜ今?

私が「なぜ今?」の問いに答えるなら、

「論語と算盤」ではないかと思います。

「論語と算盤」という彼の著書のタイトルは

渋沢栄一氏を語る上では欠かせないものに

なっていますね。

利益の追求と道徳は必ず両立されなければ

ならないと言っています。

(「道徳経済合一説」を提唱)

自分のためだけでなく、

社会全体が利益を得るための

行いをせよ、と説いています。

そして利益だけを目指すな、と。

近年、私たちの目線は、

自分にとってメリットがあるのか、

自分の会社にとってメリットがあるのか、

という

自分都合で物事を考えていないか、

という警告を鳴らしてくれている

と思うのです。

それが「なぜ今、渋沢栄一氏なのか?」

の答えだと私なら答えます。

企業の中でも同じようなことがあります。

社員も企業も

自分目線で物事を考え、行動しているという点です。

その結果、離職が増えたり、

離職する社員を責めたり。

自分か他人か。

ゼロかイチか。

対立構造を生み出している

ような気がしてなりません。

渋沢栄一氏がクローズアップされる

その背景には、

そういった国民の思想に一石を投じたい、

という想いもあるのではないかと思うのです。

もちろん、

自分のことだけ考える

利己主義をよしと思わない国民性も

あるように思います。

一方で、その文化も薄らいで

いるような気がしますし、

このままでは薄らいでいくでしょう。

なぜなら、今の教育は

利己主義を助長する教育です。

ちょっと言いすぎました。

自分のことに焦点を

当てるように!

という部分だけが取りざたされている

のではないかと思うのです。

「君は大きくなったら何になりたいの?」

「社会人になってやりたい仕事は?」

これに類する問いは、

基本的に自分のことを考えなさい、

自分のやりたい道を進みなさい、

という教えです。

これがいいとか悪いということ

ではありません。

それもとても大切ですよね。

ここに、

「自分がやりたいこと」、

かつ、

「社会に貢献できること」

「誰かの役に立てること」

「自分だけでなく他の人のためになること」

という軸が弱まっていると思うのです。

このようなことが起きている

ことを危惧しています。

これがなぜ問題なのか、

もう少し説明すると…

自分さえよければOK、

隣で働く人は優先順位が低いのです。

その意識が行動を変えますので、

人と人の間にいつの間にか溝ができてきます。

分断が起きます。

すると協調、協力、協働できなくなります。

結果として、

チームとして、

組織として、

会社として、

国として、

強くなりきれないのです。

これが、

なぜ今、渋沢栄一氏なのか?

という問いの答えなのではないかと

思います。

実は、この答えは何でもよいのです。

でも、ここまで読んでいただいた

あなたは、私の意見に賛成、

反対、など判断することができたの

ではないでしょうか。

もしくは、

もう少し、この〇〇という点について

話を聴きたい、と次の

アクションに結びついた人もいるかも

しれませんね。

このように、

人は、何かを判断したり、

決断したり、

次のアクションを考えたりする

時には、必ず、

なぜそう思ったのか?

どんな前提があるの?

とか、

そう考えた背景はどこにあるの?

どんな文化があるからそう考えるのか?

など知るからこそ、

思考や行動が動くのです。

これをトリプルループと言います。

様々な判断の奥には

かならず物事の目的や背景、前提などが

あります。

それらを理解しないことには

本当の判断・決断に納得できません。

納得できなければ、

どこか腑に落ちずに行動しなければならず

力を入れられません。

逆を言えば、

目的・背景・前提などを伝えないと

人は動いてくれないということです。

もちろん、動いてくれることもあります。

何も考えたくない人は、

その方が楽なので、

指示だけほしいと思っています。

逆に、伝えたことだけ動いてほしい、

というのであれば、それで全く問題ありません。

が、部下に依頼・指示したことを理解した上で

更なる期待をしてしまうことありますよね。

「なんで、こうしたの?

もうちょっと考えたら、

わかりそうなものなのに・・・」

とかね。

目的・背景・前提を伝えないのに、

自分で考えて行動しなさい、

というのは無理というものです。

こういう考え方をトリプルループと言います。

シングルループ、

ダブルループ、

トリプルループ…

私たちはトリプルループを回しながら

部下に伝える、全社に伝えることが

会社を動かすために必須なのです。

あなたの会社は

トリプルループを回せていますか?

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