哀悼の意。(2) 2021.12.04 | 未分類 Fさんへの追悼は続きます。 Sさんは、 新入社員の私の面倒を見ながら 仕事にかなり厳しいFさんからのプレッシャーと 膨大な仕事量、 その当時は理解しきれていませんでしたが、 本当に大変だったことと思います。 Sさんにも心から感謝しています。 そして今思うと、 当時のFさんもきっといろんな思いが おありになったと思うのです。 Fさんは私にもいろいろ教えてくださいました。 何百社という企業様に トヨタ自動車専務名で案内を出すのですが、 その際の注意すべき事、 ご協力いただく会員の皆さんへの心遣いなどを 教えてくださったこともありました。 お礼状の書き方ひとつでも、 心を込めたお礼状の書き方を教えてくださいました。 お礼状に沿えてお手土産をお送りするのですが 何をお送りするのかまで考えるよう ご指導くださいました。 事務仕事だけでなく、 その団体が行っていた QCサークル活動の普及についても 新入社員の私にもわかるようにご教示 いただきましたし、 改善活動の進め方なども 丁寧に教えてくださいました。 Fさんは新人の私に 基本的な社会人としての考え方や 組織人としての道理や トヨタ自動車社員だからこその 立ち居振る舞い方、 「仕事」をするとはどういうことか、 本当にあげればきりがないのですが いろいろ教えていただきました。 そして何より、 本当に素晴らしい上司でした。 素晴らしいなんて薄っぺらい言葉では 言い表せません。 自分のボキャブラリーのなさを これほど残念に思ったこともありません。 Fさんは 「相手のことを考えて行動できる」方でした。 「部下を信じ、部下に任せる」ことができる上司でした。 私たちが「誰かに手伝ってほしい」とFさんに お願いした時も、 私たちが大変な状態だったことはご存知だったはずです。 ですが答えは「NO」。 それはイベントが終わった後にわかったことでしたが、 私たちのためでした。。。 Fさんはこんなことをおっしゃっていました。 「イベントは、 100名近くの方に様々な企業の役員さんに いろんな役割をお願いしていたよね。 当日、何かあった時にはSさんと加藤(旧姓)さんの 二人に質問が集中する。 もし、誰かにやってもらった内容について 当日、いろんな役員さんから あれこれ聞かれても答えられないことが あった時に、皆さんも困るけど、 一番困るのは二人だよね。」と。 それを聞いた時に、 それまで“なんて冷たい人なのか”と思っていたことが 嘘のようになくなり、 “そこまで考えてくださってたんだ”と、 非常に嬉しく思ったことを覚えています。 すべて私たちのためだったのです。 イベント当日までの私たち二人の大変な状況を見ながら、 きっと一番心配だったはずなんです。 なぜなら。 事務方のトップはFさんで、 イベントはトヨタ自動車の専務名で開催。 イベントでごたごたがあったら 1300名の参加者、100名の役員の方々に ご迷惑がかかり、 専務の顔にも泥を塗ることになる。 それにもかかわらず、 私たちのために「NO」と言える。 私たちなら必ずやり切る!と 信じてくださっていたからだと思うのです。 信じて、任せる。 これは、誰にでもできることではありません。 そして、 この限界を超えた仕事の先に 私たちが能力を高め、 私たちの器を大きくするだろうという 意図があったと思えるのです。 能力開発を学んだ今の私だからこそ そう確信できます。 普通なら、 手を出したくなるでしょうし、 私たちを楽にするために 周りの支援を得ようとするのです。 それをあえてしなかった。 きっとしたかったけど、 しない選択をしたのではないかと思うのです。 なかなかできることではありません。 非常に勇気のいることだったと思いますし、 今だからこそFさんの懐の大きさを感じます。 そのFさんの元で学ばせていただいた時間は 私の人生を変えた2年間だったと 言い切れます。 Fさんのおかげで 今の私があると言っても 過言ではありません。 そんな素晴らしい上司に巡り合えた私は 本当に本当に幸せです。 Fさんのように、 たとえ自分は嫌われても 相手のためになることを選択できる、 相手の先々の成長を見越した 支援ができる、 そんな人物になりたいと 思いを新たにしています。 Fさんの志を継ぐ者として。 ご冥福を心からお祈り申し上げます。 Fさん、本当にありがとうございました。