能力の成長。

人材育成、組織開発、チームビルディングの

現場にいると、常にこの壁が立ちはだかります。

成長とは変化すること。

人は成長したいけど、

変化は好まないのが多くの人が

持っている性質、

この壁をどう乗り越えるか。。。

どんな高い壁でも、

自分で頑張って根性論で乗り越えられる人も

いますが、そんなすごい人ばかりではありません。

私もしかり。

先日、一通の喪中はがきが届きました。

お亡くなりになった方は、

私がトヨタ自動車に入社後、

2年間育ててくださった恩人です。

正真正銘、何もわかっていない私を

本当に大切に育ててくださいました。

当時は理解できませんでしたが、

今ならよく理解できます。

入社して1年目の2月3日。

私の最初の大きな仕事は、

この日に行われるイベントの事務局でした。

結果的に300社以上、

1300名近い方々にご参加

いただくことができました。

事務局メンバーは

お亡くなりになった次長級の

Fさんがトップで、

係長級のSさんと私の三人です。

私は新入社員、Sさんもそれまで製造現場で

働いていらっしゃったので、

事務系職場は初めて。

このイベントはトヨタ自動車単独の開催ではなく、

様々な企業様が会員になっている団体での

イベントでした。

なので、Fさんは次長級として、

団体の幹事企業、会員企業の方々との調整業務が

メインです。

Sさんと私は実務者として、二人で

それをどう実行するのか、考えながら、

手を動かし、足を動かすことが求められました。

しかし、何度も恐縮なのですが、

Sさんも私もさっぱりやり方がわかりません。

手探りの中、9月になり、

本格的に集客とイベント運営の準備が

始まりました。

開会挨拶いただく方へのご依頼状1枚

書くにも依頼状って何?という

調べ物から始まる始末。

300社から参加申し込みFAXが

毎日バラバラと届くので、その処理をしながら

各プログラムの進行をスムーズにするための

様々な事前準備。。。

毎日22時、23時は当たり前。

部の親睦会、忘年会にも

Sさんと私だけ参加できる状況では

ありませんでした。

でも、私の仕事が遅いことが原因、

私がもっと仕事ができる人だったら

こんなことになっていない、と

いつもいつも思っていました。

とはいえ、新入社員だった私は、

同期や、他の部員の皆さんが

早く帰っていくのを横目で見ながら、

手伝ってくれたらいいのにな、とも

思っていました。

ある時、Sさんと相談し、

Fさんにお願いをしました。

「私たちの仕事を手伝ってもらえるように

できませんか?」。

答えは「NO」。。。

イベントの参加者を増やし、

1200名を超えることが目標でしたので、

それに向かって再度ご案内を出したり、

お電話したりしながら、

参加者を増やしていきました。

参加者が増えれば増えるほど、

事務処理はもちろん、

考えるべきことも増え、

私たちの仕事も増えていきました。

Sさんの仕事量としての負担はもちろん、

精神的負担はかなり大きかったと思います。

イベントは目の前に迫ってきているのに、

まだ先が見えない。。。

そんな中の「NO」。

Sさんは、

「この仕事が終わったら、会社を辞める」

とまでおっしゃっていました。

それほど追い詰められていたのだと思います。

その当時は何のお役にも立てなかった私。

それどころか、Sさんは

新入社員の私の面倒も見ないといけない。。。

Sさんには本当に助けていただきました。

長くなりましたので、続きは次回。

Fさんへの哀悼、続きます。

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