今回は、研修講師や研修事務局の方によく質問される話、
“受講者がやる気がない”問題について。

菅生に研修を発注いただいた企業ご担当者様から
「受講者がやる気になってきましたね」
「あんなに最初は後ろ向きだったのに、すっかり前のめりですね」
「職場ではやる気なさそうにしているA君ですが、
この研修はすごくやる気になっています」
などとよくおっしゃっていただきます。

受講者のやる気は、研修の成果・職場での実践に
非常に大きな影響を及ぼす要因です。

今回は、やる気について取り上げてみたいと思います。

「研修受講者のやる気がない」
研修講師仲間からこのような困りごとをよく聞きます。

大きく分けると、考えられる問題の所在地は2か所です。
研修とは関係ない部分でやる気を損ねているのか、
研修自体(研修開始後)やる気を損ねたのか。

1.まずは研修以外の部分。
・そもそも勉強が好きな人は少ないので、勉強自体に気が進まない
・受講が評価や成果につながらないなど、主に上司の動機付けが不足
・研修受講中、仕事が溜まり自分の負担が増える

2.研修自体、研修開始後からの部分。
やる気が高まらないのか、やる気が低くなっていったのか、
という状況にもよりますが、
(状況による違いの解説については
別の機会に譲ります)
大きくは2つ要因が考えられます。

・研修の内容への不満
・講師の経験や力量不足などへの反発

私が一番はじめてに研修講師として登壇したのは、
25年ほど前。
当時、文系の私が、
理系の大卒・院卒の年上男性社員に統計学を教える
という非常にチャレンジングな
経験からスタートしました。
その頃は、
まだまだ女性が活躍できる時代ではなかったので、
受講者のやる気がないどころか、
物腰の柔らかなで、多分文系だろうと思われる
年下の女性社員から学ぶことはない、という
オーラを発している方も多く、
非常に挑発的な質問もよくいただきました(笑)
別の意味でやる気を見せていただいていたのかもしれません。

私自身は、そんな原体験が、
いかにやる気になってもらうかを
真剣に考える原点になっているかもしれません。
だからこそ、モチベーション研修ではないのに、
研修テーマの目標達成+モチベーションアップを
実現できるのだと自己分析しています。

言い換えると、
受講者の研修中のやる気は、
受講者と講師のマッチング、研修内容と受講者のマッチング

の大きく二つです。
*補足:
経験を積んでくると、
このどちらも
研修中に修正ができますが、
講師の守備範囲・知識や経験の広さ深さ、
講師の人間性、
教育ご担当者様との信頼関係、
などにも大きく影響します。
一般的には、
そこまで柔軟性のある講師は少ないような気がします。

研修中に、受講者にやる気がないなと感じたら、
まずは研修そのものの問題なのか、
研修以外の部分での問題なのかを切り分けて考えることが
大切です。
どちらも関係がある場合ももちろんあります。

問題を明らかにしてから、対処しないと
無意味な対処になってしまうので要注意ですね。
例えば、ただ単に楽しければやる気があがる、みたいな(笑)
楽しければ成果が上げやすいのは事実ですが、
楽しいだけでは成果にはつながりません。
やる気もあげて、成果にもつなげられるような内容に
しなければ投資が無駄になってしまいます。

あなたが研修を発注するご担当者様なら、
最も効果的な方法は、受講者のやる気をあげ、
成果にもつなげてくれる講師を選ぶことです。

それがなかなか難しいと思われているかもしれません。
しかし、よりよい選択するには、
研修発注前に
直接講師と打合せの場を持つことが絶対に必要です。
単なる打合せではなく、
講師の強み、特徴、傾向、スタンス、考え方などなど
のお互いの確認がとても重要です。
例えば、同じテーマ・同じテキストを使ったとしても
全く違うメッセージが伝わるので、別の研修に
なることが頻繁に起こりますからね。

あなたの企業の研修は
受講者のやる気をあげることができていますか?

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