「あなたにとって仕事とは何ですか?」
私は研修の場で、よくこの質問を投げかけます。
最も多い答えは、 「生活のために必要なこと」。
つまり、多くの人にとって仕事は 「お金・報酬を得る手段」 という位置づけです。
衣食住、趣味、家族との時間、教育費、ショッピングなど、お金の使い道はさまざまですが、これは心理学者マズローが提唱した 「欲求5段階説(正確には6段階)」 でいう 低次の欲求(生理的欲求・安全の欲求・所属と愛の欲求) に該当します。
しかし、 お金がすべてではなく、社員の働きがいを左右するのは「職場環境」 なのです。

企業が考えるべき「社員の欲求」とは?
「所属と愛の欲求」とは、 どこかに所属している実感を持ち、温かく迎えられたいという欲求 のこと。
「承認の欲求」とは、 他者から認められたい、または自分で自分を認めたいという欲求 のこと。
心理的安全性が確保された職場では、この2つの欲求が満たされやすくなります。
逆に、 心理的安全性が低い職場では、社員は自分の意見を自由に言えず、成長の機会を失い、結果的にモチベーションが低下する のです。
皆さんの職場では、以下を満たしていますか?
✔ 安心して発言できる環境があるか?
✔ 失敗を責めるのではなく、学びの機会として捉える文化があるか?
✔ 社員同士が助け合い、尊重し合う関係性が築けているか?
心理的安全性が高い職場では、社員は「ここにいてもいいんだ」「自分の考えを言っても大丈夫なんだ」と感じることができ、それが結果的に 「仕事が楽しい!」「この職場で働くことに価値がある!」 という感覚につながります。
心理的安全性がある職場では、自己実現の欲求も満たされる
「所属と愛の欲求」「承認の欲求」が満たされると、次に人は 「自己実現の欲求」 を求めるようになります。
これは、 「自分の能力を最大限に発揮し、人の役に立ちたい」 という欲求です。
心理的安全性が確保された職場では、以下のように社員が積極的に挑戦しやすくなります。
✔ 「失敗しても学びになる」と考え、挑戦を恐れなくなる!
✔ 「このアイデア、どう思いますか?」と意見を言いやすくなる!
✔ 「お互いにサポートし合おう」という文化が生まれる!

このような環境が整うと、社員は自分の仕事に誇りを持ち、 主体的に成長しようとする姿勢 が生まれるのです。
心理的安全性のない職場では、社員はどうなるのか?
逆に、 心理的安全性が低い職場ではどうなるでしょうか?
✔ 「こんなことを言ったら否定されるかも…」と発言を控えるようになる。
✔ 「ミスをすると怒られるから、新しいことに挑戦しない方がいい」と思うようになる。
✔ 「上司の顔色をうかがいながら仕事をする」状態になり、創造性が失われる。
こうした職場環境では、 社員は次第にやる気を失い、パフォーマンスが低下し、結果として離職率が高まる という悪循環が生まれます。
経営者ができる「心理的安全性を高める」ための3つの施策とは?
経営者やリーダーが率先して3つの施策を取り組むと、職場がみるみるうちに活性化していきます。
1.「安心して発言できる場」をつくる ・上司は「ダメ出し」ではなく「問いかけ」を意識する。 ・ 定期的な1on1ミーティングを実施し、社員の意見を聞く機会を増やす。 |
2.「挑戦を奨励する文化」をつくる ・失敗を責めるのではなく、そこから得た学びを称賛する。 ・ 目標設定を「成果」だけでなく、「プロセス評価」も取り入れる。 |
3.「チームを強化する」 ・社員同士が助け合える関係を築くため、ペアワークやチームミーティング、 チームビルディングを活用する。 ・ 「心理的安全性の重要性」を社内で共有し、意識を高める。 |
まとめ
ここまで、社員のやる気を引き出すための職場づくりをお伝えしてきました。
皆さんの職場は、社員の欲求を満たして、やる気を引き出せていますか?
- 社員のやる気は「生活のため」だけではなく、「職場での充実感」によって左右される!
- 会社で「所属と愛の欲求」「承認の欲求」が満たされると、社員の働きがいが向上する!
- 「心理的安全性」が確保されることで、社員は自己実現の欲求を満たし、主体的に成長する!
社員の欲求を満たし、社員が安心して仕事ができる環境となり、心理的安全性が確保された職場では、
心理的安全性が確保された職場
1.社員が安心して発言できる
2.ミスを恐れず挑戦できる
3.生産性とエンゲージメントが向上する
このような組織は、 市場環境の変化にも強く、持続的に成長し続ける企業 へと進化します。
経営者・リーダーの皆さまへ
✔ 社員の心理的安全性を高めたい
✔ 働きがいのある職場をつくりたい
✔ 優秀な人材が定着し、活躍する企業にしたい
このような課題をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
「心理的安全性の高い職場づくり」のために、私たちがお手伝いいたします!
文:菅生としこ