先日のメルマガ会員様の特典動画はお楽しみいただけましたか?
動画の中で、「経営層と管理職層の間のギャップ・溝」についてお伝えしました。
今日はこのギャップ・溝について詳しくお話します。
ギャップとは、差や違い、溝は、簡単に超えられない一線、超えられない壁です。
話をわかりやすくするために、多くの企業で採用されている「ピラミッド型組織」に例えます。
会社を機能させる組織体制
多くの会社では、全従業員を、社長を筆頭に、一番下が平社員という階層に区分しています。
これは、会社全体を機能させるために階層を作った方がよいという判断の上の組織体制づくりですので、非常に重要なことです。
階層ができれば、階層と階層の間には、必ずギャップや溝ができるのは当たり前です。
ギャップ・差や溝・壁を作りたいから以下のように階層を作る、という場合もあります。
従って、ギャップや溝が悪いわけではありません。
一方で、この組織体制が強く出過ぎると、メリット以上にデメリットが浮き彫りになってくるフェーズが到来します。
例えば、
・社長の想いや考えが現場まで伝わりにくい
・自分で仕事を抱える課長が多い
・自発的に動ける社員が少ない
・社員の意欲、エンゲージメントが低い
・社員の当事者意識が低い
・社員は自分に求められている役割や期待を理解していない
・上司は忙しくて大変そう、と他人事にしている部下が多い
などが起きている時は、ギャップ・溝が悪さをし、デメリットが大きくなり、問題が顕在化している状態と言えます。
これらの症状は、社内の人的資源を活かしきれず、生産性を下げています。
この症状が進むと、更に深刻になりますので、この段階でこの問題を解決することが極めて重要です。経営課題として正面から取り組む企業が増えています。
特定のギャップ・溝を解消する
これらの問題をどのように解決したらよいか、方法はいろいろありますが、今日はそのうちの費用対効果の高い方法を1つお伝えしたいと思います。
ギャップと溝が悪さをしているなら、このギャップ・溝を解消しよう、とひとまとめに考えがちですが、ひとまとめにして解消を図ってはいけません。
先ほどお話したように、ギャップ・溝にはメリットもあるのです。そのメリットを活かし、その上でデメリット部分だけを解消することが重要です。
そして、デメリット部分のギャップ・溝をすべて解消しなければならないわけではなく、その中でも特定のギャップ・溝を解消すればよいのです。
費用対効果の高い取組
特定のギャップ・溝の中でも、最も費用対効果の高い部分の1つであり、多くの企業で再現性高く効果が出る取組は、情報共有の仕方を変える取組です。
共有の仕方もいろいろありますが、根本的な情報の流れに関する考え方を知るだけで伝え方が変わりますので、今日はこの考え方についてお伝えしますね。
情報共有する時に念頭に置くべき考え方
情報は、水と同じで、ピラミッドの上から下に流れます。
が、実際の組織の中で流れる情報の通り道は、逆三角形スタイルです。
通常、山から流れた水が海に流れ込む状態をイメージするので、上から流したら、ざ~っと広い下流域まで到達するだろうという意識を持っています。
しかし、組織の中の情報の通り道は自然の川とは違うという認識を持ってください。
そう言われれば。。。と体感としておわかりいただけるのではないかと思います。
逆三角形ですから、上は情報が多く、下に行けば行くほど情報の通り道が狭くなります。
通り道が狭くなるので、下の方は流れる量も少なくなりますし、情報が混雑して、錯綜し、欠落し、短く要約されたりするために、うまく伝わらなくなります。
この考え方をベースに情報共有の仕方を考え直していただくことがまずは大切です。
「経営幹部と部長」間にある情報ギャップを解消する
その上で、具体的に行うべきこと。
それは、「経営幹部と部長」の情報ギャップを埋めることです。経営幹部と部長の間のギャップより、課長とその部下のギャップの方が大きいのではないかと思うかもしれません。
「経営幹部と部長」間はしっかり共有できているはず、できていると思いたいと思っているかもしれません。
仮にその通りだったとしても、経営幹部が行動を変えることが、管理職層以下を動かすためには影響力が大きく、最も費用対効果が高いのです。
そして情報分野のみならず、優秀な幹部人材が更に機能することが費用対効果が高いことも、私が言うまでもなく当たり前の話ですね。
ちなみに、経営層が1枚岩になっていなければ、経営層を一枚岩にするところが1stステップです。
また、大企業・中堅企業であれば、部長と次長間、部長と課長間と読み替えていただくとよいかもしれませんね。
要するに、上流から攻めるということです。
ぜひ「経営幹部と部長」間にある情報ギャップを解消する取り組みを行い、そのような取り組みをしていることを全社に示していただくことをオススメします。
このような組織の中の解決が難しい問題(社員に自発的に動いてほしい、社長の考えが現場まで伝わらないなど)を解決できる幹部・次世代リーダー人材育成講座をただ今準備中です。
まもなく皆様にご案内できると思います。
楽しみにお待ちください。
文:菅生としこ
- ご相談ください!
- トヨタ自動車在職中から30年間で培ってきた知見を公開 !!
メールアドレス:sugo★awesome-eye.co.jp(左記の★を@に置き換えて下さい)
TEL:059-350-1650
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!