社員を育てる2つのアプローチ。
よく行うのが、知識学習(OffーJT)、実践学習(OJT)、OJTの中でもティーチング、トレーニング、コーチング、があります。
あなたの会社でも、何かしら行っているのではないでしょうか。

例えば、入社したばかりの新人社員に対し、職場内の特定の業務が一人前にできるように、その業務について詳しい社員が業務のイロハを教えることがあるでしょう。
これは実践学習であり、ティーチングやトレーニングです。
人材育成の一環で、社員を育てるアプローチの1つです。

社員を育てるアプローチ、もう1つは、「組織開発の中の人材開発」です。
組織開発というと難しく聞こえるかもしれませんね。
1人1人によりよい社員になっていただくこと(人づくり)が「人材開発」です。
そして、組織的に機能する仕組みをつくりながら人材を開発し、戦略的に目指す組織をつくることが「組織開発の中の人材開発(以降、組織開発)」です。


例えば、階層別教育制度や目標管理制度、人事評価制度などは、まさに組織開発としての社員を育てるアプローチです。

簡単な例をあげると、
外部セミナーを受講させるのは、偶然いいセミナーを見つけたから参加させるのは、人材開発に近いイメージですが、定期もしくは決まったタイミングで外部セミナーに参加させるのは、組織開発に近いイメージです。
人材開発なのか組織開発なのか、言葉の定義は大した問題ではありません。

人材開発であれば、今より能力アップすればよいので、個人の成長スピードは個人次第です。
しかし、組織開発であれば、偶発的ではなく、意図的に育成すべくして育成します。

そのため、組織開発的な考え方をすることで、育成する側のスキルのばらつきをなくし、場当たり的ではなく計画的に育成することで、育成される側の成長スピードを加速させることができます。

個々人に対する人材開発だけを行うと、成長する社員と成長しない社員のばらつきがでるのは必至です。
社員の成長にばらつきがあるなぁと思ったら、
「個人的な本人の資質の問題」とせず、「組織的な人材開発(組織開発)がうまくいっていないのかもしれない」と少し意識を変えていただくことが、ご本人にとっても、会社にとっても有益です。

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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